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「では……いただきます。」
三津はどうぞどうぞと徳利を手に順番にお酌をして回る。
「三津さんもどう?」
入江に勧められるも今日はお酌係に徹するとやんわり断った。
三人を家に上げた事を怒られるのは覚悟しているが,酒を呑んだと知れたら後が怖い。
「呑んだら桂さんに怒られるんです?」 https://www.easycorp.com.hk/en/accounting
それを察したように久坂がふっと笑みを漏らした。
「もう俺らがいる時点で説教確定だろ。」
吉田は他人事の様に笑った。桂の居ぬ間に家で三津に酌をされ,手作りの肴を食べて上機嫌だ。
「明日藩邸で一緒に怒られてあげるよ。」
「入江さんと吉田さんは説教しても利かないって小五郎さん言ってましたから多分二人はお咎め無しですよ。」
だから怒られるのは私だけだからと入江の申し出を笑い飛ばした。
「あぁ……桂さんのお仕置き激しいのに申し訳ない……。」
「は!?何言ってるんですか!入江さん!」
声を荒げて入江の腕をバシバシ叩くが入江はそれすらも楽しんでいた。
「本当に桂さんの恩人なんです?出逢いってその怪我したとこを匿ったってアレで間違いないんです?」
「そうですよ?その日はたまたま寝付きが悪くて水飲みに台所に居たんですよ。そしたら物音して外出たら小五郎さんが居たんです。
怪我してたからとりあえず中に連れ込んで。」
それを聞いて久坂が思い切り吹き出した。
「よくもそんな得体の知れない男を。連れ込むなんて大胆ですね。
そうですか連れ込んだんですか三津さんが。」
「だって家の脇で死んでても嫌やないですか!」
三津は至って真剣に言うのだけれど,三人は甘味屋の脇で桂が死んでるのを思い浮かべて腹を抱えて大笑いした。「あっはははは!苦しい……死にそ……。
だっ大丈夫。桂さんしぶといから死なない。それに相当危険な状態になったら刀抜くから。」
吉田は笑い過ぎて出てきた涙を拭った後にまた腹を抱えて悶えた。
「しぶといって……。そんなに笑う?」
「三津さんはまだ桂さんが強いのが信じられないみたいですね。明日三人で斬りかかってみましょうかね。」
「そんな物騒な事を何笑顔で言うてはるんですか久坂さん。」
「ちゃんと木刀にしときますから。」
「そう言う問題?」
本気で斬りかかるつもりなのか三人は楽しそうに作戦を練り始めた。
『悪ガキ三人。』
きゃっきゃと笑い合う三人は文字通り大童で三津はその様子を目を細めて眺めた。
ひとしきり呑んで食べて騒いだ三人は全く酔った様子もなく帰って行った。
『三人が何考えてるか全然分からんかったけど楽しかったな。』
後片付けをしながら一人で笑みを浮かべた。三人の仲の良さが覗えて羨ましさと同時に,いつまでたっても悪ガキなのが微笑ましかった。
今日は桂の言い付け通り先に寝ようと湯浴みを済ませて布団に潜り込もうとした時だった。
『あ!帰って来た!』
玄関へ出迎えに行こうかと思ったがそのまま布団に潜り込んで寝たふりをした。
三津が寝てると思っていた桂もただいまとは声をかけず静かに中へ入って来た。
すると桂は真っ先に三津の傍に腰をおろして頭を撫でながらただいまと声を掛けた。
その優しい声と手つきに三津は頬を緩めた。
「お帰りなさい。」
その愛しい人の顔が見たくて堪らず返事をした。
「何だ起きてたのか。夕餉は楽しく食べれたかい?」
「ふふ。悪ガキ達が良からぬ作戦を立ててました。」
「作戦?」
「明日になれば分かります。何かお夜食食べますか?」
上半身を起こした三津に桂は口角を上げていいやと首を振る。
「約束を破った悪い子をいただくから。」
「だと思いました。」
「ん?今日は随分と余裕だね?」
そう言われたら手加減する訳にはいかない。
それを察知したのか三津のが急に狼狽えだした。
「余裕?そんなモノは無いですよ!ただ小五郎さんが吉田さん達が来るのも私が追い返せないのも分かってるから怒られる覚悟はあっただけで!」
「もう遅いよね。」