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斎藤、桜司郎と続くような形で屯所の門を潜る。隊務を終えた隊士達がぞろぞろと風呂へ向かう姿が奥に見えた。
斎藤は一歩後ろを歩く桜司郎へ目を向ける。何処か気まずそうな、気恥ずかしそうな表情が門前の篝火によって照らされていた。
──可憐だ。嫋やかな見目をしているというのに、その内には燃え盛るような闘志と意志が秘められている。……いっそのこと、この手で手折ってしまいたくなる。
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手を伸ばそうとするが、桜司郎の視線が自分ではないところへ向けられていることに気付く。そちらを見遣れば、稽古着の沖田が向かって来ていた。
「あれ、珍しい組み合わせですね。出掛けておられたのですか?」
やはりこの男か、とムスッとした斎藤はその耳元に顔を近付ける。少しくらい意地悪をしても罰は当たらないだろう。
「……気になるか?逢引だ」
そう囁けば沖田はみるみる眉間に皺を寄せた。
「な……ッ」
口角を上げた斎藤は振り返ると、自身なりの柔和な表情で桜司郎を見やる。
「鈴木、俺は少し沖田さんと話しがある。先に屯所へ入っていると良い」
そのように言えば桜司郎は頷き、軽く頭を下げて駆けていった。背を見送りながら、斎藤は沖田を道場へ誘う。
静まり返った道場に灯りをともせば、そわそわとしていた沖田が口を開いた。
「斎藤さん、逢引というのは──」
「ああ、それは嘘だ」
あっさりと嘘だと認めれば、沖田は拍子抜けしたような、安心したような何とも言えない表情になる。
斎藤は竹刀を二振り持ち、一つを沖田へ投げた。構えろと言えば沖田は直ぐに対応する。
二人は平正眼に構えた。
「……だが、俺は鈴木へ己の想いを伝えたよ。好いていると……な!」
仕掛けたのは斎藤である。床を大きく踏み込み、胴を狙うがそれはすんなりと受け流された。
立て続けに攻撃を仕掛ける。鋭く打ち合う音が道場へ響き渡った。ギシギシと音を立てて鍔迫り合いになる。
「おれは、今日ほどあんたを……沖田さんを羨ましいと思ったことは無い。鈴木は……あんたを想っていることだろう」
「そ、そのような事は!」
沖田は竹刀を押し返そうとするが、力が入り切らずに受け流す形となった。手の感覚が少しずつ、少しずつ、まるで毒に侵されているように消えていくのを感じる。
長くは持たないと判断した沖田は咳が出ぬように息を止めた。そして大きく後ろへ下がると、下段に構えて斎藤を誘う。
「何故無いと言える!」
苛立ちを覚えた斎藤は再度攻勢に出た。がら空きの胴を狙うように向かう。
──今!
その隙を見た沖田は力いっぱい右から左上へと袈裟懸けに振るった。パン、と竹が弾けて砕けるような音と共に斎藤の手元からは竹刀が吹っ飛ぶ。
あまりに重い攻撃に、斎藤の手はビリビリと痺れた。は、と乾いた笑みが漏れる。
その時、沖田は膝を着いて激しく咳き込んだ。息を止めていたことも相俟って、呼吸が激しく乱れる。肩で大きく息をしながら、斎藤を見上げた。
「……流石だな、沖田さ──」
斎藤は沖田の掌にほんのりと血のような物が付いているのを目敏く見付ける。だがそれは直ぐに握り潰された。
それは何なのかと気になったが、さしずめ見ぬふりをしてほしいのだろうと察した斎藤は自然に視線を逸らす。